切迫早産の原因とは?症状と入院費もチェック
切迫早産は6~7人に1人の妊婦さんがなると言われていて、3ヶ月以上の入院が必要になる場合もあります。
切迫早産について、原因や予防法、起きてしまった場合の治療や費用について紹介していきます。
看護師が監修
BELTA専属 看護師
立谷 紗耶華
(たちや さやか)
切迫早産とは
切迫早産とは、妊娠22週〜37週未満の時期に赤ちゃんが生まれてくる可能性が高い、早産の一歩手前という状態です。
この期間は赤ちゃんがまだ成長しておらず、早く産まれてしまうと後遺症が残ってしまったり、命が危ない場合もあります。
切迫早産の原因
ここでは切迫早産の原因についてまとめています。どんな原因があるか把握しておくことで予防にもつながります。
細菌感染
切迫早産で一番多い原因は細菌による感染です。
増殖した細菌が子宮から赤ちゃんを包む膜に到達すると、毛膜羊膜炎になります。炎症反応によって切迫早産を引き起こします。
絨毛膜羊膜炎のような感染症のことを子宮内感染と呼びます。
※子宮内感染とは
ママの膣や血液中の細菌が、子宮内の赤ちゃんにも感染してしまう事を子宮内感染と呼びます。
子宮内感染は赤ちゃんの敗血症や肺炎といった感染症や脳性麻痺、最悪死に至ることもあります。
多胎妊娠
子宮内に赤ちゃんが2人以上いると、子宮が過度に大きくなり収縮しやすくなります。収縮すると赤ちゃんが押し出されそうな状態になるため、切迫早産になります。
実際に、ふたごの約半数が切迫早産と診断されています。
※参考:多胎妊娠について
子宮頸管無力症
子宮頸管とは子宮の入り口にあたる子宮頸部の一部です。普段はしっかり閉じていて、お腹の赤ちゃんを支えています。この子宮頸管がゆるんでしまうことを子宮頸管無力症と言います。
痛みや出血といった自覚症状が出ないため、自分では気づきにくくなっています。
子宮の状態
子宮頸がんなどの病気になると子宮頸部を切り取る手術をします。これは円錐切除術と呼ばれ、この手術を行った方は、子宮口が開きやすくなっているため切迫早産になりやすいです。
その他にも子宮筋腫や子宮奇形も切迫早産の原因になります。
喫煙、痩せすぎなどといった生活習慣
喫煙習慣のある妊婦さんは早産になる確率が、1.4〜1.5倍も高いと言われています。タバコに含まれる有害物質は血流を悪くするため、赤ちゃんに酸素や栄養が届かなくなってしまいます。
また、食事面でもママの栄養が不足すると、赤ちゃんが十分に成長しません。
赤ちゃんが成長しないと「羊水過多」という症状になり、切迫早産を引き起こします。
※羊水過多とは
羊水過多とは羊水の量が過剰な状態のことです。
羊水は赤ちゃんが飲んだり出したりすることで一定の量が保たれています。しかし、赤ちゃんが十分に育たないと羊水の量が増えてしまいます。
羊水で子宮が圧迫されることで切迫早産や破水につながります。
妊娠中のストレス
妊娠するとホルモンバランスが変化し、不安や心配やイライラといった感情の変化が起きやすくなり、ストレスが溜まりやすい状態です。
ストレスには血管収縮作用があるため、子宮収縮や血流悪化を起こし、切迫早産につながります。
こんな症状が出たら要注意!
切迫早産には自覚症状と無自覚症状があります。
子宮口の開きや子宮頸管の状態などの無自覚な症状は検診を受け、チェックしてもらう必要があります。
ここでは切迫早産の自覚症状についてまとめています。
※参考:母性健康管理に関する用語辞典(厚生労働省委託 働く女性の心とからだの応援サイト)
細菌感染による発熱やおりものの変化
38度以上の発熱が出た時は絨毛膜羊膜炎の可能性が高いため、早めに受診しましょう。
また、細菌に感染するとおりものが以下の状態になることがあります。
- ・生臭い悪臭
- ・灰色がかった色
- ・サラサラの液状
お腹の張りや痛み
お腹の張りや痛みは切迫早産の特徴的な症状です。お腹の張りや痛みを感じたらまずは安静にしましょう。
痛みが落ち着くのであればあまり心配はいりません。
普段よりも強かったり、1時間に複数回起きるような規則的もしくは頻繁に張りや痛みが続く場合には、早めに受診しましょう。
性器からの出血
妊娠中の出血は心配のないものから、切迫早産などの重大な症状のものまであります。また、おりもののような血液からサラサラの血液など色や量も様々です。
出血が見られたら病院へ連絡して、出血の様子や色や量などを伝えて指示に従いましょう。
陣痛より前に起きる前期破水
切迫早産での破水は「前期破水」と呼ばれます。
量が少なかったり、止まることもあるため尿漏れと勘違いする場合があります。
時間が経つほど子宮内感染のリスクが高まるため、少しでも破水の可能性があるなら受診をしましょう。
日々の予防で早産リスクを軽減
切迫早産に絶対的な予防法はないと言われています。
しかし、少しでもリスクを減らすためにできることから少しずつ始めましょう。
生活習慣の改善
ママもパパもタバコを控えましょう。副流煙にも血管収縮作用のあるニコチンが含まれているため、周囲の協力も必要になります。
また、妊娠中の痩せすぎを防ぐために栄養バランスの取れた食事を心がけましょう。適切な栄養を取ることで赤ちゃんが成長し、早産を予防することができます。
感染症の予防
妊娠中の性交渉にはコンドームを使用しましょう。細菌が膣から子宮内に侵入するのを防ぐことができます。
また、子宮内感染は風邪などのウイルス感染や歯肉炎、膀胱炎からも起きる可能性があります。これらの感染症を防ぐためにも体調管理が必要です。
ストレス対策
妊娠中のストレス解消に最もおすすめなのは「体を動かすこと」です。
体を動かすと心を落ち着かせる「セロトニン」というホルモンが分泌されます。散歩やストレッチをしてみたり、マタニティヨガなどを活用してみましょう。
そのほかにも趣味に没頭したり、ノンカフェインのお茶を飲んだりするのもおすすめです。
切迫早産の治療法は?入院は必要?
切迫早産は症状の重さにより処置や治療法が変わります。
基本は自宅安静
切迫早産と診断されたら、どんなに症状が軽くても安静にしている必要があります。
原則的に仕事は休み、基本的には横になって安静にします。家事も疲れない範囲で行い、長時間の移動や重いものを持つことは控えましょう。
症状が重いと入院することも
子宮の収縮や子宮口の開きが大きい場合は入院が必要になります。
子宮収縮抑制剤を点滴などで投与します。症状によっては器具を用いた子宮口を閉じる治療をすることもあります。また、感染防止のために膣洗浄や抗生剤などを用いることがあります。
容体が悪化した時は帝王切開になることもあります。
切迫早産の入院期間
切迫早産の入院期間は、数日から3ヶ月以上になることがあります。
症状が落ち着くか、もしくは早産の時期を超える37週を迎えるまで入院しなければなりません。
切迫早産の入院費やかかるお金
そもそも出産にかかる費用は年々増加している
出産費用はここ8年で5万円近く増加しており、平均で約47万円かかっています。
突然の切迫早産で入院費がかかると、出産費用にプラスして予想以上の出費になることがあります。
様々な場合を想定して、必要なお金を把握しておきましょう。
入院費と帝王切開にかかる費用
1日あたりの入院費用(自己負担額)は1日約1万~1万5千円かかることが多いと言われています。
また、容体の変化により帝王切開になった場合は20万円以上の手術費用がかかります。
治療・入院中の家族の生活費
切迫早産になると入院して家に帰れなくなったり、安静にしている必要があります。
家事代行サービスや食事の宅配を利用することになる可能性もあります。
※1ヶ月入院して出産した場合の費用例:約80万円
出産費用約47万円
入院費約30万円
家族の外食・家事代行費用約3万円
6人に1人の確率で起きる!切迫早産への備え
切迫早産は妊婦さんの6~7人に1人に起きると言われています。
絶対的な予防法も確立されていないため、予期せぬ入院に備えて早めにご家族と話し合っておきましょう。
妊娠や出産はママにとってリスクが高まる時期なので、もしもの時のためにも保険に加入することは有効な手段の一つです。
月1,170円から始められる!
ベルタ妊娠保険を詳しくみる妊娠・出産にかかわるお金の悩みを無料で相談
- 鈴木 健行
- BELTA専属
ファイナンシャルプランナー
出産や子育てにおいて、お金は非常に大きな問題です。
かかる費用や保険など不安なことがありましたら、ぜひお気軽にご相談ください。
無料で何回でも相談OK
ファイナンシャルプランナーににいますぐ相談する